海外駐在員として海外で働き、様々な海外駐在員を見てきた僕が、彼ら・彼女らが退職したいと考える理由をまとめてみました。
退職・転職理由は様々ありますが、僕から見ると企業が海外赴任者のケアをあまりできていないことが原因なのではと思います。
給与や待遇への不満、役割の不安、いつまで駐在先に居ればよいのか期限が決められていないことへの不満、今後のキャリアへの不安などなど様々ありますがこれらは企業の努力でどうにかなるものかなと思います。
中には海外赴任者のマインドのところがちょっとなーっていう理由で辞めている人も(けっこう)いるのですが、これは企業のフォローが足りないかな―みたいなものもちらほらあります。
海外赴任する人の中にはそれなりに優秀でポテンシャルがあって海外でもまれて成長していく人とか日本での実績が認められて海外へみたいな人もいるのでそういう人たちがフォローが足りずに辞めていってしまうともったいないです。
そういう人たちは自分の意志がはっきりしているので対応が後手に回ると遅いしもういいやってなっちゃう可能性あるので注意が必要です。
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極論、海外駐在したことの無い人には駐在員の気持ちが理解できない
現実問題、海外赴任者にかかるストレスというのは日本とは全く異なるので一言でフォローしろよと言ってもなかなか最適なフォローができないのが現状です。
なんなら海外赴任者自身もフォローが欲しいけどどんなんがあったら最適なのか分からないというような人もちらほらいます。
僕は海外赴任していますがフォローはあったら欲しいなと思いますけど、とくにフォローもされずにやってきてます。笑
全くないというわけではないし、良い上司に恵まれているので会社からなにかあるというのはないですが、良い上司からのフォローをそれなりに受けてます。
会社のフォローというよりもそういう上司からとかけっこう上の層の人から気にかけてもらえるというのが案外満足感につながるかもしれませんね。
それを意識的に行っていくような仕組みづくりの方が下手に金出したりとかするよりも良い気がします。
お金はあったことにこしたことないので欲しいとは思いますが、それだけでは繋ぎとめておけないのが現状です。
海外駐在員が退職したい・辞めたいと言い始める理由7つ
海外駐在員が駐在先が嫌になって辞めていくケースはいくつも見てきましたが、だいたい下記7つの理由に収まると思います。
日本でビジネスをしていけるか不安に陥る
若い人だと特にそうなのですが、日本でのビジネス経験が少ないことで、日本で自分は本当にやっていけるんだろうかと不安に陥ることがよくあります。
日本と海外では雰囲気が違いますし、東南アジアのような発展途上国だとマネジメントに苦労するのはどちらかというと仕事に対する考え方の違いからくるものです。
だらだら働いている人をちゃんと働いてもらうようにするとか、だらだら働かれても仕事が進むようなスキームをつくるとかそういう仕事になったりします。
これができて将来自分の役に立つのだろうか・・・
みたいな不安に駆られている海外赴任者をちょいちょい見かけます。
キャリアプランが明確にならなかったりすると不安になってしまうので、将来のビジョンが見えていない人にはそこをうまく見せていくようなフォローが必要かと思います。
現地採用メンバーとのいざこざ
インドに海外赴任する人とかでよく聞くのですが、メンバーがストライキを起こしていきなり来なくなったとか、喧嘩になって仕事をしてくれなかったり、大事な機械を壊されたりみたいな事件とかがちょいちょいあるそうです・・
海外ではメンバーとのいざこざは日本であるちょっとやそっとのレベルではない規模で起きてしまう可能性があります。
もうこうなると手に負えず責任を感じて自殺してしまったりする人もちょいちょいニュースになっています。
転職を考えるのではまだしも、自殺されてしまうとその人個人にもよくないですし会社にとっても大きな損害です。
メンバーとのいざこざを海外から把握するのはめちゃくちゃ難しいですが、報告があったときにしっかりとフォローをしてあげてその人一人の責任に感じさせないような努力が必要になってきます。
海外の食事や生活、文化が合わない
海外で働きたい!!!!
と行きこんで海外赴任先へ行ったものの、
あれ?ちょっとなんか違うぞ・・・・
となってしまう人も多いようです。
海外赴任先を選ぶことは難しいです。
会社の意向で海外赴任先が決定することが多く、海外赴任者が行きたい所へ行くというのができないことが多いです。
そのため、初めて行く国でいきなり住み始めなければいけなくなります。
インターネットで調べることができたり、現地へ出向いたことがある人に話を聞くことはできますが完璧に現地の生活をイメージすることはほぼ不可能に近いです。
僕はフィリピンに来ていますが、南米のもっとひどいのを経験してるので
『なんだ!けっこうきれいじゃん!』
って思いましたが、人によっては汚いとか臭いが嫌だとか人が怠け者すぎてサービスがめちゃ遅くて毎日いらいらするとか働き方に関しての価値観が合わなくてどうしていいかわからないとかいろんな不満が出てきたりします。
言語も違えば生活習慣も違う国に来て異なるストレスに耐えられなくなったりします。
しかし、海外赴任者は来たばかりのころは特にそこに対しての本音を素直に言えない人が多いです。
素直に言ったとしても受け入れてもらえるか分かりませんし、やる気がないんだと思われたらどうしようとかそういった不安に駆られる人もいます。
日本の生活が恋しくなる
海外で生活をしていると日本が恋しくなる時があります。
おいしい料理がどこでも食べられます。
日本にいた時は別に早く食べれるしいいかなくらいで行っていた吉野家とか松乃屋とかでめちゃくちゃおいしくて感動するレベルだったりします。笑
また、フィリピンではボーリングのフロアががたがたでまっすぐ転がらなかったりして満足に遊ぶこともできません。笑
好みの服を買うこともできないですし日本の時のような遊びができなくてプライベートの生活に不満足を感じてしまう可能性があります。
仕事に対しての不満じゃないのですが、海外赴任をすると思いっきり生活環境が変わるのでそこに対するケアもしておかないと辞めたいとなってしまう原因につながります。
海外の価値観に触れた結果別の事がやりたくなる
海外には様々な刺激的な日本人が存在していますし、日本ではなかなかないような出会いが海外ではあったりします。
そういった価値観に触れることで自分ももっと大きいことを成し遂げたい、別の事をやりたい、この人のところで働きたいなどの考え方になってもおかしくありません。
また、海外の人たちの自分のことは自分で決めていき周りの事は気にしないという姿勢は人を積極的な行動に促したりします。
他の理由と比べるとポジティブな理由なので良い話ではありますが、こういった人材が流出してしまうと後任を探すのが大変になってしまいますね。
日本にいた時の自分や日本にいる友達と比較する
『隣の芝は青く見える』
ということではないですが、日本にいる同期や元同僚の活躍を見て
『日本にいたらこんなことができたのかなー。それに比べ自分は・・・』
と自分を卑下して見てしまう人もいます。
海外で思考錯誤するのは良い経験になるのですが、実際それが社会的に価値があるのかどうかを測ることが実質的に難しいです。
今自分のしていることが将来のキャリアにつながるのか漠然とした不安が積み重なると退職という選択になってしまう可能性があります。
海外駐在者へのキャリアアップを見せることも重要ですが、その人の人生にとって海外赴任という選択がよりよいものになるように企業がケアする必要がありそうです。
自分が搾取されているだけなんきゃないかという不安を抱いてしまったらもう取り返しがつきませんし口で何を言っても聞いてもらえないと思います。
また、日本で働いている友達や同僚が結果を出している姿を見るとこのままでよいのかと不安になったりします。
あなたが本当に歩みたいキャリアはどんなものかを一度考える必要があると思います。
大切な人に不幸があってもすぐに駆け付けられない
海外に住んでいると家族や大切な友達、恋人に不幸があったときにすぐに駆け付けることができません。
それが日本へ戻ることを決断させることが多々あります。
国によってはビザの関係でスムーズに日本から出れない時がありますし、飛行機のチケットを取ってからなんやかんやしていると連絡を受けてから1日以上は経過します。
もうこれはどうしようもないことですが、海外にいることで大切な人が大変な時にそばに駆けつけることができないという状況が退職を決断させる理由になりえます。
海外駐在者には適切な精神的、金銭的、キャリア的なフォローが必要不可欠
企業によってはお金をたくさん渡しておけばよいと考えるところもありますが、海外赴任をしたいと考えていてなおかつそれに選ばれた人はそれなりに能力が高い場合もあると思います。
その中にはお金で満足する人もいるかもしれませんが、海外赴任という選択が自分のキャリアにどうつながるのか、社内や自分の人生にとってのキャリアアップにつながるのかというところにもケアができなければ必然的に退職・転職の選択を取る人が増加します。
人はなかなか強くはなくて、誰かのサポートがないとやっていけない人の方が圧倒的に多いです。
うまくサポートをしてあげないとあまり良くない形での退職になってしまうので、お金だけではないフォローをしっかりとしてあげたいですね。
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