アフィリエイト広告はインターネット広告の中でも費用対効果の高い広告配信手法のひとつ。
この記事ではインターネット広告代理店で働く僕がアフィリエイト広告の運用のポイントやメリットやデメリットについて解説します。
Contents
成果に応じて費用が発生するアフィリエイト広告とは?
成果報酬型広告と呼ばれるのがアフィリエイト広告です。
アフィリエイト広告のシステムを提供するもしもさんは下記のように解説されています。
直訳すると「加入、提携」の意味になる affiliate とは、カンタンに言うと、
もしも「もしもアフィリエイトの始め方」
「あなたがある企業に代わって商品やサービスを宣伝・紹介して、お客様にお申込みやご購入していただけると、その企業から“報酬”がもらえる」というシステムです。
アフィリエイターは例えば
・企業の商品の購入
・特定サイトのサイトへの無料会員登録であったり
・アプリのインストール
・資料請求
・クレジットカードの申し込み
自分の保有しているサイトやSNSなどでASPから下記のような自分のコンテンツにあった商材を探し広告として掲載します。
掲載した広告から企業が指定した成果地点に誘導できたらあらかじめ設定してある成果報酬に応じてお金がもらえます。
プレイヤー①広告を出稿する人(=広告主)
広告を出したい何かしらのサービスや商品を持っている法人や個人のことを指します。
広告代理店を通している場合もあるのでその場合は広告代理店の後ろに広告を出稿する人(=広告主)になります。
プレイヤー②アフィリエイター(サイトオーナー)
広告主が出稿した商品やサービスに関する広告を自社のホームページや個人のブログ、時にはSNSにリンクを貼って収入を得ている人たちです。
彼らはアフィリエイト広告のリンクを貼り、そのリンクを貼ったメディアへの集客を頑張ることでメディアのマネタイズを行おうとしています。
そのメディア経由でアクションが起きれば成果が発生しお金を得ています。
プレイヤー③ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)
ASPとはアフィリエイトサービスプロバイダの略です。
アフィリエイト広告を出稿したい広告主とアフィリエイターさんをつなげるプラットフォームです。
アフィリエイターさんは出稿したい広告を探すために複数のASPに登録しています。
広告主さんは広告出稿したいメディアさんにお願いしたりすることができます。
ASP名 | 特徴 |
---|---|
A8.net | 日本最大級のASPでアフィリエイトマーケティング 協会の調査で満足度1位。 |
もしもアフィリエイト | アフィリエイトマーケティング協会の調査で満足度4位。 主要総合ECのリンクを簡単に作れるサービスが人気 |
バリューコマース | 東証一部上場企業が運営する安心のASP。 |
afb | アフィリエイトマーケティング協会の調査で満足度2位。 報酬+消費税10%で支払いしてくれる |
広告主にとってのメリット・デメリット
広告主にとってのメリット
費用対効果が高くコスト面でのリスクが少ない
アフィリエイト広告は成果に対して報酬が支払われるため比較的成果が少ないインターネット広告です。
他のクリック型やCPM課金と呼ばれる配信手法ではクリック単価やインプレッション単価のコントロールはできますが実際に購入や資料請求などの対象とする成果に繋がるかわかりません。
しかし、アフィリエイト広告であれば例えば1商品購入につき1,000円支払うというようにあらかじめ成果に対しての費用を決めておくことができます。

サービスとして最低限必要なROASから逆算して成果単価を決められるので費用対効果が高い!
有名なブロガーやインフルエンサーに記事にしてもらうことで認知度向上や信頼度UPを狙える
多くのユーザーは有名なインフルエンサーやブロガーなどが紹介している記事を参考にして商品やサービスを選んでいます。
あなたも商品やサービスを購入する前にブログ記事を見てみたりSNSを検索してフォロワーが多い人の口コミを参考にした経験があるのではないでしょうか。
有名なブロガー・インフルエンサーがASPからあなたのサービスや商品をピックアップして記事を書いてくれれば認知度向上の可能性があります。
また、信頼しているブロガー・インフルエンサーが紹介しているという理由で商品・サービスへの信頼度向上が期待できます。
知名度の高いブロガーやインフルエンサーをASPが抱えてたりするので紹介してもらいたい場合は特別な単価報酬を提案したりすることで取り扱ってもらえる可能性も高まります。
サービス内容理解が深まり新規ユーザー獲得や再利用に繋がる
記事の内容にもよりますが、
ブロガーやメディアが記事にしてくれて商品・サービスの使い方などを書いてくれることでユーザーはより内容理解をしてからサービス利用することになりその後の継続率が高くなる可能性
があります。
特定の内容での記事を書いてもらいたい場合は長期でのメディアやブロガー、インフルエンサーとの協力が必要になるでしょう。
広告主にとってのデメリット・注意点
獲得件数がリンクを貼ってくれるメディアのポテンシャルに依存する
アフィリエイト広告はユーザーを誘導できる数がアフィリエイト広告のリンクを貼ってくれるメディアやインフルエンサー・メディアの集客力に依存します。
メディア側のポテンシャルに依存すると新規ユーザー獲得が枯渇してしまう可能性があります。
アフィリエイト広告のみでやっていくのであれば単価の変更やASPの拡大を行うことで広告リンクを貼ってくれるメディア数などが増加しますがそれでも限界が来るでしょう。
運用型広告やSEOなど他集客方法などアフィリエイト以外の集客を検討しましょう。
意図しないメディアにリンクを貼られブランド欠損する可能性
ASPを見てもらうとわかりますが、承認なしに誰でもリンクを貼れたりします。
そのため変なメディアや自社商品・サービスのコンセプトにそぐわないインフルエンサーに紹介されてしまいブランドイメージが損なわれる可能性があります。
もちろん、ASP側と話をして承認を入れることも可能なので出稿する際はASPとしっかりすり合わせを行いましょう。
メディアに書かれる内容は良い事ばかりではない
メディアはメリットだけでなくデメリットもしっかり書く場合が多いです。
メリットばかり書いている記事って信頼できなかったりするのでデメリットも交えるのはごく自然な事です。
ASP側からメディアに対してしっかりサービスの良さを伝えたりデメリットを上回るようなオファーの存在を伝えることで商品・サービスのデメリットばかりに焦点を当てられないように工夫しましょう。
ASPによって初期費用や月額料金が高い可能性
ASPによっては初期費用や月額料金が発生する可能性があります。
成果が少ない、または発生しないとなってくると初期費用や月額料金が割高になる可能性があります。
ASP毎で料金形態がことなってきますので事前に金額面をすり合わせておきましょう。
メディア(アフィリエイター) のメリット・デメリット
メディア(アフィリエイター)のメリット
アドセンス等のアドネットワーク経由以外の収益を得られる
バナーを貼ってクリックやインプレッション課金で収益を得ているメディアがありますがこれはかなりのPV数を稼がないとなかなかお金にならなかったりします。
これだけだと収益を得られるポイントが少なくなってしまいます。
アフィリエイト広告を活用すると記事などのコンテンツ毎に広告リンクを貼ることができるのでマネタイズポイントが増えます。
メディア側は少しでも収益を増やしたいのでアフィリエイト広告を活用して少しでも収益を上げることを考えています。
高い成果を出すことができればアドセンスよりも報酬が高くなる
『高い成果を出すことができればアドセンスのようなCPC型の広告よりも報酬が高くなること』
です。
高いCVRを叩き出せばかなりの儲けがでます。
ブログと商品・サービスの相性や報酬単価を見ながら案件の選定を行うことが重要です。
メディア(アフィリエイター) のデメリット・注意点
購入や資料請求などの成果に繋がらないと報酬を得られない
アフィリエイト広告はあなたのメディア内にリンクを貼ったとしても成果に繋がらなければ報酬を得る事ができません。
成果を得るために
・メディアと商品・サービスとの相性はどうか
・記事の内容はユーザーにとって興味を引くものになっているか
などを考えながらアフィリエイト広告の選定や記事の工夫が必要になってきます。
案件停止などで急に成果が発生しなくなることがある
広告主側の都合で突然案件停止になることがあったり他ASPに乗り換えたりします。
収益の柱だった案件が停止になると大ダメージでほかの柱を探す必要が出てきます。
ページが増えてくると管理するのが手間
上記とも少し重なりますがメディア内の記事数が増えてくると管理工数もそれに応じて増加します。
あらかじめ管理方法を決めておかないと大変です。
特に複数ASPを活用する場合はどの商品・サービスのアフィリエイト広告をどのASPからもらってきたのか分からなくなってきます。
成果漏れが発生して収益が得られない場合もある
近年はcookieの規制などの影響で以前よりも成果の計測をしづらい環境になってきています。
成果漏れが発生したり短期で成果が発生しないとあなたのメディアの成果にならなかったりします。
計測周りの環境は最低限整えておかないとトラッキング漏れを起こして全く成果が得られないという場合もあるのでメディア運営する際はこのあたりは最低限覚えておきましょう。
Googleのアップデートで上位表示されていた記事が急に圏外に
Googleは年に何百回も細かく検索のアルゴリズムを変更していて年に数回コアアップデートといわれる大型な変更が加えられます。
これによって上位表示されていた記事が急に表示されなくなったりして圏外になってしまい収益が発生しなくなってしまったということもしばしば。
SEOについては様々な本が出ていますがブログやメディア運営を主戦場にしている人はSEOのコアなところをしっかりしてサイト作成をしていくのが大事です。

Googleのアップデート目的はユーザーの検索体験の向上なので常にユーザーを意識したサイトを作りたいですね!
下記本は目先のトレンドに振り回されないSEOのコアな内容を書いた本なので興味があればこちらを読んでみてください。
アフィリエイト広告運用のポイント
相性が良くブランド欠損しないメディアと長期的に付き合う
アフィリエイトの運用ポイントは広告主・アフィリエイターどちらも
『相性の良い相手を見つけられるかどうか』
にかかっています。
広告主であれば
高CVRを発揮していてなおかつ質の高いユーザーを獲得できているアフィリエイターとマッチできるかがポイント
です。
獲得数を広げたいのであればそういった相性の良いアフィリエイター(=メディア)をどれだけ見つけられるかがポイントとなります。
アフィリエイターであれば自社サイトやブログと相性の良い商品やサービスを得ることが大切。
相性が良いカテゴリが分かったらそのカテゴリ内で相性の良いと思われるサービスをどんどん紹介していきましょう。
一度買ってくれたユーザーが満足していたら再度あなたのサイトやブログから購入してくれるリピーターになるかもしれません。

相性の良い相手を見つけるにはどうすればいいのか?
を常に考え続けることが重要です。
必要に応じてASP担当者や広告代理店を使っているのであれば広告代理店と相談しましょう。
アフィリエイト広告はやり続けると獲得件数が伸びなくなってくる
理由としては
アフィリエイト広告を実施しているメディアのPV数に依存してしまうから
です。
あなたの商品・サービスを紹介してくれているメディアのUU数が増えていかなければ、あなたが出稿した広告を見てくれる人が少なくなっていってしまいます。
このあたりは少し前述しましたが、対象メディアを広げられるかを検討してみましょう。
対象メディアを広げるには現在利用しているものとは別のASPを活用したり単価アップなどが手段としてあげられます。
また、気になるメディアがあればASPに伝えればアフィリエイト掲載を打診してくれるかもしれません。
これがうまく行かなければ他の運用型広告やSEOなどの手段を模索していくことも必要になります。
基本的にアフィリエイト広告だけに頼るのは怖いのでオウンドの施策や他のネット広告など様々な手段を検討しましょう。
別記事で運用型広告の種類について学ぶ本やインターネット広告を学ぶ前に知っておきたいWEBマーケティングの基礎を分かりやすく学べる本を紹介しています。
アフィリエイト広告だけに頼らないインターネット広告の全体像や基礎を学びたい方はは下記記事から参考になる書籍を選んで読んでみてください。
成果が発生したときにだけ費用が発生する仕組みとなっているので、企業にとっては比較的リスクなく始めやすいネット広告手法と言えます!