海外赴任ではたらき始めると日本で働いていたときとは環境が変わり、今までとは違ったストレスのかかり方になります。
どんなストレスが想定されるのかや海外でできるストレス発散法を理解して海外生活を楽しみましょう!
この記事では、2年9カ月の海外赴任経験をもとに、海外生活や仕事でのストレスを発散する方法についてまとめてみました。
Contents
海外赴任でストレスを感じている人はどれくらいいるのか?
海外赴任でストレスを感じてしまっている人はどれくらいいるのでしょうか。
少し古い記事になりますが海外赴任でストレスと感じている人は60%以上に上ります。
会社からの支援を受けられていないと感じる人もかなりいることが明らかになっています。
海外駐在員のメンタルヘルスについて、産業能率大学が海外赴任経験をした人を対象に実施した調査によると、「海外赴任中にストレスを感じた」とした人は62.2%と半数以上に上った。その原因について、「言葉の壁・コミュニケーションのとりにくさ」「文化・価値観・考え方の違い」「生活環境の変化・生活習慣の違い」が多くあがった。
保健指導リソースガイド『ストレスチェック制度 海外派遣者への対応はWEB面談サービスを活用』
また、会社や上司からの支援については、現地の仕事や生活環境に適応するための役立つ支援を「受けていない」とした人が63.8%もいるなど、海外駐在員を送り出す企業が十分に支援できていない実態が明らかになった。
海外赴任中の自殺はよくニュースでも取り上げられます。
たとえばこんな記事が出ていました。
大手塗料メーカー「関西ペイント」(本社・大阪市)の若手社員が5年前、海外出張中に自殺したのは会社側が心身のケアを怠ったためだとして、滋賀県彦根市の両親が約1億2800万円の賠償を求めた訴訟が大阪地裁であり、今月7日付で和解したことが分かった。会社側が両親に弔意を表し、解決金500万円を支払う内容。
朝日新聞『海外出張中の自殺 両親に解決金500万円で和解』
海外赴任ではなかなか周りに知り合いもおらず相談ができないケースがしばしばあります。
ストレスを一人でため込まないようにするストレス発散法を習得しておく必要があるでしょう。
海外赴任でストレスになる原因はなに?
海外赴任でのストレスは多岐にわたります。
あらかじめどんなストレスがあるのかを理解してできるだけ想定の範囲内で収めると精神的な負担も軽くなるはずです。
言葉の壁
国によっては英語が通じません。
英語が通じても、発音の違いとかで聞き取ってもらえないこともあるし、相手は悪気が無くても強い口調ではあとか言われたりすることもあります。
海外赴任先の国が英語が通じなくて生活に困ることもあります。
かんたんな現地語での日常会話程度は習得しておくことをお勧めします。
現地人との文化や生活環境、習慣の違い
国が変われば人が持っている価値観や当たり前が異なります。
宗教も違えば生活リズムも異なります。
食生活や働くという考えにも違いが出てきます。
気候も当然異なり日本のように四季がしっかりとしている国はなかなかありません。
治安や安全面
日本ほど安全な国は世界でもまれです。
どの国に行ったとしても日本よりは安全ではありません。
僕はフィリピンに住んでいますが現在(2017年6月)はアジア圏の中でも治安が比較的良くないとされている地域で常に危険と隣り合わせになります。
現地社員との関係性
僕は東京本社からセブ支社に赴任しましたが転職者とは違った目で見られます。
この人は本社から何をしにきたんだろう。
自分たちの敵なのか味方なのかというような見られ方をしてもおかしくありません。
海外赴任になるということはそれなりに責任のあるポジションや役割を任されることも多いです。
突然やってきた人が上に立つことになれば不満も広がる可能性があります。
海外赴任で求められると感じるスキルは?一番必要なのは環境適応能力
一番のスキルは適応力
少し古い記事になってしまいますが下記記事では海外赴任で求められるスキルについて言及しています。
1位に来ているのは語学力やマネジメントなどではなく、適応力や柔軟性、ストレス体制となっています。
第1位は、「適応力・柔軟性・精神力(ストレス耐性)」が入ります。
海外駐在員の1割程度が1年で挫折・帰国していますが、実はその何倍もの人が途中でやる気をなくしているはず、との海外の研究もあり、海外駐在は大変ストレスの多い仕事です。駐在員本人もストレスならば、不慣れな駐在員を受け入れるほうもストレスです。その点で、適応力・柔軟性・ストレス耐性等が重要になっています。
引用;月刊総務オンライン『グローバル時代の上手な採用:海外駐在員に求められるビジネススキル(1)』
語学力は現地でもなんとかなりますがストレス耐性に関しては人生の中で培われてきたものだったりその人の性格に起因するものなのでなかなか変えることができません。
これができない、無理だと考えている人は海外赴任はかなり過酷な選択かもしれません。
ストレスを無くして海外生活を楽しむ方法
これまでどんなストレスがあるのかや重要な能力について書いてきましたがここからやっとこの記事の本題である海外赴任先でのストレス発散方法についてのご紹介です。
僕は主に下記の方法でストレスを発散し海外生活を楽しんでいます。
日本語で話す機会を定期的につくる
ずっと母国語以外の言葉を使っていると自然とストレスに感じてしまいます。
モチベーション高く現地語を覚えることも重要であえて日本語の環境をつくらないという方もいらっしゃると思うのでそれはそれで良いのですがストレスを抱えてしまってはもとも子も無いです。
母国語でないと伝えたいことを伝えたい意図でとらえてもらうのが大変です。
日本語で定期的に話すことで自分の伝えたいことを伝える事がストレス発散につながります。
日本にいる友人とスカイプ等で近況報告をするのはNG?
日本の友達に悩み相談をするのは良い場合と悪い場合があります。
日本の友達は海外経験がなく海外赴任の苦労をわかってくれないかもしれません。
日本で生活している友人がうらやましく感じてしまうかもしれません。
帰りたいけど帰れないというジレンマに襲われないように注意が必要です。
体力づくりをする
身体を動かすことはストレス発散につながります。
お気に入りのジムを見つけて身体を動かしてみましょう。
海外だと国によってはインストラクターを付けるのも安く済むので適切な方法で器具を使うことができます。
また、いろいろなところで街を散歩して見るのもおすすめです。
散歩中に新しいレストランや好きな服などが売っているお店なんかが見つかるかもしれません。
日本でしていた趣味を海外でもできるようにしておく
日本でなにかしら趣味の活動をしていた人は海外でできるように準備しておくことをお勧めします。
海外では難しい趣味や売っていないものもしばしばあります。
海外赴任になる前に現地で趣味を楽しむことができるかどうか事前のリサーチをしておきましょう。
海外に行くと友達が最初あまりいないことが多く、一人で過ごすことになる可能性も結構高いです。
趣味が無いから何か作りたいなと思う人は別記事で趣味について書いているのでよければこちらも読んでみてください。
定期的においしい日本食を食べに行く
海外の料理もおいしいですがやはり日本人には日本食が一番合います。
現地にあるおいしい日本食屋さんを見つけて定期的に食べに行ってみましょう。
また、日本からインスタントの味噌汁なんかを持ってきておいて定期的に飲むとほっとします。
下記は海外駐在員に渡すお土産が何がいいのかを書いた記事なのですが、僕は日本に一時帰国した際にちょっと高めのインスタントの味噌汁とか缶詰とか買って行ってました。
仕事帰りに家でちょっとした楽しみみたいな感じで勝っておくのがおすすめです。
目標を明確にする
海外赴任中の目標を会社としてだけではなく個人としても明確にしましょう。
なにも目標がないと自分がなぜここにいるのか分からなくなってしまいます。
ここでこれを成し遂げて個の海外赴任中に自分を磨くんだという心意気があればストレスも気になりません。
海外でやりたいことリストみたいなものを作ってやってみましょう。
僕は海外でやりたいことリストだけではないんですが、死ぬまでにやりたいことリストを海外でいくつか消化しました。
文化の違いを受け入れる
文化の違いを受け入れ楽しんでみましょう。
僕はフィリピンに住んでいますが、フィリピンは仕事をしている人たちのサービスの質も低いしめちゃくちゃ遅くていらいらすることもあります。
しかし、最近は遅いものなんだと受け入れて待ち時間に本を読んだり情報収集したりして逆に有効なインプットの時間になっています。
物事は捉え方次第でうまく活用できるというマインドを手に入れましょう。
コミュニケーションは気持ちが大事
言葉が通じなくていらいらすることもあるかもしれません。
しかし、こちらが一生懸命伝えようとすれば気持ちは伝わります。
自分の気持ちを身体いっぱいに表現して言語の壁を乗り越えましょう。
海外でできるアクティビティをする
先ほど海外ではやりづらい趣味があるとお伝えしましたが逆に海外の方が自由にできるアクティビティも存在します。
僕がいるセブ島はマリンスポーツを明日やろうと思えばシュノーケリングやダイビングなどのアクティビティがかんたんにできます。
海外でしかできないこともあるのでそれを趣味にしてしまうと毎日が楽しくなるかもしれません。
海外生活を発信してみる
自分の海外生活をブログやインスタグラム、Twitterなどを通して発信してみましょう。
これがお金稼ぎにつながることもありますし日々の自分の心境の変化や気づきをまとめておくこともできます。
情報を発信しようと心がけると情報がたくさん集まってくることもあるので新しいことをたくさん知りましょう。
国内外の近場に旅行に行ってみる
日本から行くと高いけど海外赴任先の国から行くと移動代が安くなることもあります。
週末は他の国に旅行に行ってみましょう。
社会人になるとなかなか気軽に海外旅行をすることはできませんが海外赴任先からの近場であれば気軽に立ち寄ることができますよ。
自分なりのストレス発散法を見つけて充実した海外赴任ライフを!
様々なストレス発散法を紹介させて頂きましたがもしかしたらこれでストレスが発散できない人もいるかもしれません。
そういう場合は会社に相談することが必要です。
会社が聞いてくれない場合はどこに相談しようかとリスクヘッジしておけばストレスが溜まって苦しくなることを少しは軽減できるはずです。
できるだけ余裕を持って行きましょう。
海外赴任は大変な事もありますがうまく現地の生活に慣れていけば楽しいことも多いです。
充実した海外赴任生活を手に入れるためにいろんなストレス発散法を試してみてください。
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