20代くらいの人はマネジメントをやりたくないという考えを持っているのは肌感でも感じます。
僕も現状15名のチームをマネジメントしていますが、次のマネージャー候補やチームリーダーくらいの候補を立てて行くために本人が管理職になりたいかどうかをヒアリングしています。
回答は、半分くらいはやりたくないという感じです。
50%がやってもよい、やりたいっていうのはまだましな方だくらいにも聞いたりするのでまあまあかなと思いますが、そんなにやりたくない人が多いんだという風に感じてます。
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20代はマネジメント(管理職)をやりたくない傾向に
実際どれくらいの人がマネジメントをやりたいと回答しているのでしょうか。
下記引用させて頂きます。
リクルートマネジメントソリューションズが3年おきに実施している「新人・若手の意識調査」によると、「管理職になりたい」および「どちらかといえばなりたい」と回答した肯定派の割合が減少し、2010年の新人では55.8%だったのが、2016年の新人では31.9%となっています。
東洋経済『20~30代が出世を望まなくなってきた本質』
30%の方がやりたいという回答をしていて、それ以外の方はやりたくないと回答しています。
約7割の人はやりたくないという回答です。
なぜここまでマネジメントをやりたくないのでしょうか。
20代がマネジメントをやりたくない6つの理由
マネジメントをやりたくない理由を思いつく限り書いてみました。
幸せの価値観が出世以外のところに出てきた
昔は転職が少なく、ひとつの企業である意味依存して働くことが美徳とされていきましたが、今はむしろ転職先で結果を出している事が評価されたりします。
出世しなくても転職や副業をすることで収入を増やすことができます。
また、収入が増えなくても趣味に時間を使ったりストレスフリーに生きたいという願望も強まっています。
マネジメント側の愚痴を聞いたりしているとさらにストレスが溜まりそうで嫌だと考えてもおかしくないかなと思います。
管理職に管理されている実感が無く、マネジメント側になっているイメージが湧かない
現代は各チームの仕事内容が多角化してきており、必ずしも管理職がすべての仕事を把握しているわけではない場合もでてきます。
その場合、プレイヤー側はマネジメント側にアドバイスを求めても特に明確な回答が出てこず、マネジメント側に不信感を抱き始めます。
その不信感がマネジメント側は大したことないという考えに至ったり、自分もそう思われたらいやだなという考えに至るのかもしれません。
また、マネジメントの定義があいまいになってきており、昔はしりをたたいて叱咤激励していれば誰も辞めないのでそれでよかったかもしれませんが、今はそんなマネジメントをしている人を見たら絶対こんな仕事は嫌だとなってしまいます。
こうなってくると、マネジメントとは具体的に何をするのかイメージが分からなくなり、何をしてよいのかもわからないけどストレスが溜まる職種というイメージになってしまいます。
マネジメント側になるとそう簡単に転職できない、または辞めづらそうという不安
マネジメント側になる人にはなってから最低でも1年、できればもっと長くいてもらいたいと思いがちです。
マネジメントの話を持ち掛けられた人もここからどれくらいこの会社にいるかなと考えると、マネジメントを任せられるくらい社歴が長くなってきたら転職を考えている人も多いかなと思います。
マネジメントになったら自由に動きづらくなってしまうことを恐れてマネジメント側になることを躊躇し、まあそれは30代以降でいいかなという考えになってしまうのかなと思います。
マネジメントになってからのキャリア形成が見えてこない
日本だとあまりマネジメントでの求人が出ておらず、むしろプレイヤーとしてどれだけの成果を出したかの方が求められているように感じます。
そうなってくるとマネジメントをしていても何のキャリア形成や給与アップにもつながらないためマネジメントはしばらくいいかなという考えに至ってしまいます。
また、マネジメントになった先のことを考えることができないためやりたがらない可能性もありそうです。
ストレスが多そうなのに給与が少なそうに見えている
日本はマネジメントに対する評価があまり高くなく優秀なプレイヤーの方が転職市場でも重宝されているように見えます。
それなのに、ただただストレスが溜まっていそうだということは若手も気づいています。
上からも下からも言われる管理職のポジションは孤独になりがちで孤独になるストレスを抱えてまで給与も高くないのに管理職をやりたいとは考えないかなと思います。
年功序列の考えが徐々になくなり、年上部下が増えてきたため
年功序列時代はだいたい年上上司と年下部下という流れが自然だったのかもしれませんが、今はだんだん実力評価になってきていますし若い会社は特に年上の部下、年下上司の構図が増えた来たかなと思います。
年上に何かを言うのはやっぱり難しいです。
僕も年齢が3つ離れるとちょっと言いづらいなと感じます。
年上部下はやっぱり年下上司をよく思わない傾向が強いですし、特に社歴も長い年上部下ができるとかなり厄介だと同世代のマネージャーに聞いてもよく話に持ち上がります。
年上で社歴の長い先輩が横目にちらついてこの人のマネジメントをできないなと考える人も多いのかなと思います。
若い人にマネジメントをやる気にさせる5つの方法
若い人がマネジメントをやりたがらないとは言え、チームがデカくなればなるほどマネジメントをする人間を作っていかないといけません。
若い人がマネジメントをやりたいという流れを作っていくにはどうすればよいのかを考えてみました。
優秀なマネージャーの下にマネジメント候補をつける
優秀ではないマネージャーの下につけるとマネージャーの背中が見えず、何をしているのか見えません。
優秀なマネージャーではないから俺がマネージャーに変わっていいチームを作ってやるというような反骨精神を持っている人は少数派かなと思いますので、優秀なマネージャーの下について背中を見せるような動きを見せると
『僕・私もあの人みたいになりたい!』
という流れになると思いますし、マネジメントの楽しさや面白さの話を飲み会でしていくことでマネジメントって面白いかもなという気持ちになるかもしれません。
マネジメント側になった後のキャリア形成や給与UPを明確に話す
若い人はだいたいマネジメント側になるのが初めての経験で多少はイメージはあってもやったことがないので漠然と分からない事も多いものです。
それがキャリアの何につながるのかが見えません。
マネジメント側を経験しておくことの何が良いのか、なぜこのタイミングで経験しておくのが良いのかを啓蒙しておくのが良いかなと思います。
また、マネジメント側になったらどれくらい待遇がアップするのかも決断する最後の最後の切り札として会社が提示できるのであればしっかり提示してあげたほうが良いかなと思います。
誰がどうサポートに入ってくれるか明確にする
初めてのマネジメントはどうしてよいのか分からないもの。
ここはタイプによると思うのですが、自分で試行錯誤してやっていけるタイプなのか時間がかかりそうなタイプなのかでしっかり見極めてフォローに入ってあげる必要がありますし、どういうタイミングでフォローに入るのか明確に基準を持ってやっていくのが良いか内容を伝えるかどうか別にしてフォローに入る旨は伝えて安心感を与えてあげましょう。
マネジメントは今までにない業務でストレスもたまりがちなのでそこはある程度フォローに入る前提でやっていかないと途中で気持ちが折れてしまう可能性があります。
優秀な人間の心を折らないようにうまくやっていきましょう。
候補者の興味を引き出しマネジメントならではのやりがいのすり合わせを行う
マネジメント候補者がどんなキャリアを描こうとしているのか何に興味があるのかをしっかりヒアリングしてマネジメント業務で身に着けられるスキルや能力、経験をしっかり丁寧にすり合わせを行っていかないと会社の都合でやらされてる感が出てしまうかもしれません。
自分の興味や関心とマッチしない場合ただ無理やりマネジメント側を任せるだけですぐに心折れてしまうと思うのでしっかり若手のキャリアビジョンとのすり合わせをしてあげることが重要かなと思います。
マネジメントに近い業務を徐々にやってもらっていつのまにかマネジメント側くらいにする
マネジメント業務をやりたい、やりたくないという選択肢すらない人もいるので、そういう人にはまずはマネジメント業務を少しずつでもよいのでやってもらいましょう。
また、やりたくないという人でも徐々に任せてみたら意外と楽しいとかやりがいを感じることになるかもしれません。
また、マネジメント側もマネジメント業務を誰かに任せられて他のことに時間を当てられるのでマネジメントのイメージも湧かせることができて一石二鳥です。
日本はまだまだ完全実力主義ではないので若い人がマネジメントをやりづらい環境に?
日本は年功序列が崩れてきているとはいえ、小さいベンチャー出ない限りはけっこうどの会社の話を聞いていても年功序列で物事が判断されているなと感じることが多々あります。
確かに過去の実績を評価するのはよい事なのですが、その実績の再現性が無い人は評価できません。
しかし、現状ではマネジメント側よりも社歴の長いプレイヤーの方が給与が高かったりします。
これもマネジメントをやりたがらない理由のひとつかなと思います。
割と日本はそれを評価しがちかなという気がしていて、実力主義にならない限りは若い人が役職職者になると俺の方が年上なのにーみたいな考えが蔓延してやりづらくなり、鬱とかになってしまいます。
若い人でマネジメントになり年上部下に嫌がらせをされて鬱になったみたいな話はけっこう聞くのでこういう状況がなくなっていかないといけないし、マネージャーのマネージャーがうまくそういう状況をキャッチアップして改善していくような動きをしていかないと厳しいのかなと思います。
マネジメントには正解はないですが、影響力が大きくなり会社に与えるインパクトも大きくなる面白い仕事だとマネジメントをしていて感じます。
僕は下記本を読んでマネジメントについてもっと考えるべきことやるべきこと、もっとこうしたらよい影響を与えられるんじゃないかと考えるようになりました。
よければ下記本を手に取って読んでみてください。
マネジメントに対する考え方が変わるかもしれません。
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